グループホームみんなの家・府中南町
最期の時まで、その方らしく…
こんにちは。グループホームみんなの家・府中南町スタッフ本田です。
2022年7月。
看取り介護の中、99歳のA様がご逝去されました。
ご入居されたのは2021年2月。
いつも身なりに気を使われ、お化粧は欠かさず。「女に生まれたんだから、いつでも綺麗でいたいじゃない?」と、よくおっしゃっていました。
何歳になっても、特別なお出かけの日じゃなくても、《人から見られている自分の姿を意識して、いつも綺麗でいたいという気持ち》はとても素敵だし、同じ女性として尊敬するお姿でした。
体操や歩行練習を、いつも楽しく励んでいらっしゃいました。これから体操が始まると聞くと「わーい」と両手を挙げて喜ばれ、
「歩く練習しましょうか?」と尋ねると、「いいの?やってくれる?」とキラキラした眼差しを向けて下さいました。
「100歳まで元気でいなきゃね!」と、いつまでも自分の足で歩きたいんだと、常に前向きな姿勢を私たちに見せて下さいました。
昨年11月頃から徐々に体調を崩され、大好きな体操や歩行練習に取り組める日が減ってしまいました。座位をとるのも難しくなり、今年2月頃からはリクライニング車椅子を使用されるようになりました。
時には、ご本人にしか分からない、痛く辛い思いもあったと思います。それでも私たちにスタッフに対して弱音を吐かれる事はありませんでした。私たちに遠慮していた、というのももちろんあったかと思いますが、A様ご自身の我慢強さや前向きさ、負けたくない気持ちがとても強かったのだと思います。
そのお姿を見ていて、《気丈に振る舞うご本人らしさを最後まで尊重したい》という思いを大切にしていこうとスタッフ皆で決めていました。
そして、A様のお心の中には、いつも愛する娘様お二人への思いがありました。少し元気が出ないような時も、娘様のお名前を聞くとパッと目を大きく開かれるのです。
何度も面会に足を運んで下さり、いつも明るく楽しいお声掛けで、お部屋には笑い声が響いていました。
明るいお二人にお会いすると、私たちスタッフまで元気をいただいているようでした。
コロナで面会が再び中止となる前の7月初旬、お外でお話ししたのが最後の面会となってしまいました。暑過ぎず涼しくて、風がとても心地よかったあの日。娘様のおっしゃる冗談に、A様も何度も声をあげて笑われていましたね。最後の面会でのあの時の三人のお姿、私はずっと忘れないと思います。
・ ・ ・
最期のその日、その瞬間まで、A様らしく強くて綺麗なお姿でした。
病院のように設備が整っているわけでもないグループホームを、A様の生涯の最期の場所として選んでいただけたこと。そして、
『この南町のホームで最期まで過ごせた母は幸せだったと思います。』と言っていただけたことは、私たちにとって何よりもの宝物です。
最後になりましたが、
A様のご冥福をお祈り致しますと共に、A様と娘様お二人への感謝の気持ちを込めて。本当にありがとうございました。
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