～Ｋ様のはなし～

こんにちは。

ＧＨみんなの家・新川崎のブログをご覧いただきましてありがとうございます。

最近グループホームみんなの家・新川崎では入居者様だけでなく職員も一緒に楽しんでいる手作りおやつ作りが恒例となりましたが、今日はそのきっかけになった出来事を少しお話したいと思います。

それは今年に入り新型ウイルスの影響で各地が自粛し始めたころ、当ホームでは毎年この時期になると花見や散歩、おやつを持参して公園ピクニック、買い物などをすることが定番のイベントとなっていましたが、当然ながらそれが一切中止となりました。

※こちらは去年のもの自粛前の写真です。

～入居者Ｋ様のはなし～

　Ｋ様は日々のイベントやレクリエーションに積極的に参加される方で、出来る範囲でお手伝いなどもされる優しい方です。また普段から日常生活をするうえで、自分の中の時間や物事へのこだわりやルーティーンがありとても大切にされています。言い換えればそのサイクルがずれてくると不安になったり、落ち着かなくなることがあります。

Ｋ様は毎月ご家族様と外食をされていました。

ご家族様が来設される際には必ずホームに電話をくれます。来る際には大好きな洋画のＤＶＤを持参され、面会後には近くのファミリーレストランへタクシーで行き好きなものを召し上がるそうです。いつも食べたものを自慢げに話すＫ様は毎回とても嬉しそうでした。

しかしその楽しみもコロナウイルスの影響で、家族に会うことも、大好きなＤＶＤも、外食することも突然できなくなりました。この状況はＴＶを見てＫ様自身理解されてわかっていらっしゃるようでしたが内心は寂しい気持ちや外出できないストレスが相当溜まってきていてそれは次第に表面にも出てきていました。

Ｋ様「電話まだ？電話していい？いつ収束するの？」

と家族といつ会うことができるのか、時々思い出しては不安になり職員にいつも聞いていました。

そして言動も日々エスカレートしていきました。

その症状は、ホームの廊下を何往復も行き来していたり、部屋のＣＤ（音楽）を大音量でかけたり、自身のＤＶＤや雑誌を持ち出したりとその行動はすぐわかるものでした・・。

そこで職員同士、普段の生活の様子の情報を共有し合いました。Ｋ様が不安な気持ちにならないために、少しでも心が落ち着くようなことは何なのか。根本的なことから掘り下げいつものケアに加え日常プラスαのケアを心掛けました。ご家族と電話をしたり、なるべく一人でいることが無いように職員の声掛けを多くしていました。そこで提案された一つに、大好きな食事をイベント化することで少しでも気持ちを明るく楽しく過ごしてもらおうというものでした。

そうと決まったらあとは行動あるのみです。

とある日のこと職員が

「月末に美味しいおやつを作りますよ～」

とＫ様に伝えます。

「いつ、誰と、何を食べられるのか？」

Ｋ様が少しでも興味を持っていただき楽しみ増やすことが狙いでした。

職員も一緒になっておやつレクの話題を盛り上げたり、共に楽しい時間を共有することが本人への安心へつながっていきました。

そして数日後、おやつレクは大成功！！

いつもなら他の方の作業を見ていることが多かったのですが自分の出来る範囲で参加してくださり、完成したおやつを美味しく召し上がっていました。

　日々の些細な変化を見逃さない事

例えどんな状況だとしても日頃の様子をしっかり見ていれば解決策があること。今回の出来事でその重要さを再確認することができました。

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