小規模多機能型居宅介護みんなの家・稲城長沼
【一日一心】同じ空の下 part2
YO、みなさん、こんにちは。
みんなの家・稲城長沼の魔神ジーニー、王です~
明日は職員の鍋対戦で、その前に居酒屋で話題の「痛風鍋」を研究してきました(笑)
鍋も名前もパンチが効いていて、勉強どころか夢中に食べてしまった…
明日の勝負に活かせるかなぁ…(僕の誕生日だよ…笑)
みなさんは冬の健康に気をつけ、運動と食事をバランスよくしてくださいね~
今日は男性利用者様2名と一緒に動物園へ♡デート♡をしてきました。
「男は死ぬまで少年」という言葉の意味は、今回、よーーくわかりました。
お二人は普段の散歩中、道端でニワトリを見かけると、
「ちょっと触らせてくれ~」と目を輝かせるおじいちゃんたちです(笑)
「ゾウって、こんなに大きかったかなあ。」
久しぶりの外出先は、多摩動物園。
40年ぶりに訪れたというおじいちゃんたちが、目の前に立つゾウをじっと見つめていた。
K様81歳。独り暮らしで、訪問サービスだけを利用している。
外出する機会なんてめったにない。
それでも、幼いころから愛した山や音楽、散歩の話を、いつも楽しそうに語る人だった。
Y様も、同じく81歳。彼は整備士として人生を駆け抜けた。
車が大好きで、子どもたちと一緒に動物園に通ったのは遠い昔のこと。
「若いころ、家族と来たんだ。ゾウがこんなに大きいって、みんなで驚いたっけな。」
その声はどこか遠い。
懐かしさと少しの寂しさが混じっていた。
忘れていた景色
ゾウの大きさに目を見張り、カンガルーの跳ねる姿に笑い合い、コアラの仕草に感嘆の声を漏らす二人の姿が、
私にはどうしても少年のように見えた。
「タカの羽、すごいね。舞台で使った衣装の羽根飾りみたいだ。」
Kさんは、昔を思い出すようにそうつぶやいた。
「フクロウ、こんなに目が大きかったか?あいつ、車のヘッドライトみたいだな!」
整備士だったおじいちゃんの声に、思わず皆が笑った。
けれど、その笑顔の奥に、長い年月の重みが感じられる。
家族と来た日々、働き盛りの頃、夢中だった趣味。
二人はどれだけの時間を超えて、ここに立っているのだろう。
そして、どれだけのことを諦めてきたのだろうか。
「また来られるなんて思わなかったよ。」
その言葉を聞いた瞬間、僕の胸がぎゅっと締めつけられた。
施設の意味
僕は、この小規模多機能施設で働いている。
日々のケアが彼らの生活を支える。それが私の仕事だと思っていた。
でも今日、二人の笑顔を見て気づいた。
施設の役割は、ただのケアではない。
長い人生の中で諦めてしまったこと、忘れてしまった楽しさを、もう一度取り戻す場所。
それが本当の意味なのだ。
「じいさんになっても、こんなに楽しいもんなんだな。」
帰り際、Kさんが笑いながらそう言った。
その言葉に、私は心の中で誓った。
もっとたくさんの「もう一度」を届けようと。
同じ空の下、またいつか
ゾウ、カンガルー、コアラ、タカ、フクロウ。
たくさんの動物たちと過ごした一日は、あっという間に終わった。
車に乗り込む二人の姿を見送ると、なぜだか涙が込み上げてきた。
人生の歩み方は人それぞれ。
だけど、こうして笑い合える時間がある。それがどれほど尊いものか、私は今日知った。
「また行けたらいいね。」
彼らがそう言ってくれたのなら、私はどこへだって連れていく。
もう一度夢を叶えよう。
僕はお2人の「足」であり「翼」である。
行きたい場所、見たい景色、叶えたい夢…
そのひとつひとつに寄り添い、共に歩みます。自分ではもう辿り着けないと思っていた場所に、ともに新たな景色を分かち合える喜び。
私たちはその瞬間の笑顔のために、この仕事をしています。
今日もありがとうね~
同じ空の下で、その一歩を、一緒に歩けることに感謝している。
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